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島根県土地改良事業団体連合会
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第16回(平成24年度)

最優秀賞

風景部門 「夜明け」
撮影地:雲南市大東町(山王寺棚田)
若槻 愛二郎
 
早朝の風景は、時間の経過とともに変化してゆきます。その時間帯によって遠くの風景がさまざまな姿を見せてくれます。この作品はまさにタイミングよく近景と遠景と日の出を撮っています。一言でいえば努力の作品です。遠くに見える秀峰大山の上にある日の出の状況描写が素晴らしいと思います。加えて逆光の中の田園が黄金色となり山脈の中にある霧までが雄大な風景を見せています。
色彩表現、シャッターチャンスも良く、パノラマ的な画面構成も印象的に見せて成功しました。審査員全員一致で最優秀賞に選ばれた作品です。

部門賞

風景部門

風景部門 「霜の朝」
 撮影地:出雲市斐川町坂田
行長 好友
 
斐川平野には、冬になると多くの鳥達が渡来してきます。これらは、風景の中に相乗するように空間を賑わしてくれます。遠くに見える大山と田園が画面の中に二等分化されていますが、下方よりも朝焼けの空間がよいと思います。霜降りの状況が冬の厳しさを感じます。
このような雄大な風景を構成し、更に空飛ぶ鳥を配した位置がよいと思います。この作品も努力作品であり、感動的な情景描写となっており、右下の農機具も生活感を出しているよい作品です。

人物部門

人物部門 「里山喫茶」
撮影地:仁多郡奥出雲町
橋本 潤子
 
周囲の木々による里山の表現が素晴らしいと思います。
少し刈り取られた田んぼの中に女性が二人で楽しそうに仕事をしています。しかも人物を大胆に中心に持ってきた画面構成がよいと思います。
むしろの上にある数々の品物が人の心を癒してくれる風景にもなっています。左側にあるポットまでが口を開けた格好に撮られておりユーモラスさもあります。
全体の画面構成がよく、前景と背景の見せ方のよい作品です。

施設部門

施設部門 「神木に守られて」
撮影地:鹿足郡吉賀町(大井谷棚田)
吉﨑 佳慶
 
造形的に見せた画面構成がよいと思います。石垣に囲まれるようにして田植がされており段々になった田園の中心にあるのが神木でしょうか。これが印象的な画面となっております。
一つの風景としても中央にある曲った石垣の線が中心になっていますが、これが印象的な表現になっています。加えて画面全体が緑で表現されているところに、すがすがしさを感じます。 撮影以前にイメージされたような作品でしょうか。色彩表現のよい作品です。

イベント部門

イベント部門 「おろち花田植」
撮影地:仁多郡奥出雲町横田
田坂 将
 
余り見ることのなかった花田植ですが、蔵屋花田植が再現されたとのことです。
奥出雲は出雲神話の発祥の地といわれるだけあって、おろちが主役となったイベントであり、昨年から始まったようです。作品を拝見しますと原色が多く、田園の中での白装束と赤頭巾の田植をする人達、緑のおろち役の人達が強力な印象の画面となりました。古代から伝承されていたかのように又、古式の再現されたかのような駕籠等が相乗効果を出しています。作品づくりには結構な被写体となりました。

審査委員特別賞

島根県緑化推進委員会会長賞
風景部門 「森林浴」
撮影地:松江市宍道町
檜山 広子
川本貢功賞
イベント部門 「田植え」
撮影地:鹿足郡吉賀町
波積 薫
岩下直行賞
人物部門 「小春日和」
 撮影地:仁多郡奥出雲町大馬木
福田 一寿
伊藤ユキ子賞
風景部門 「アクセント」
撮影地:益田市種村町
田原 智晴
小滝達也賞
施設部門 「準備万端.田植だGO!」
撮影地:浜田市旭町(都川棚田)
佐々木 祐子
島根県農林水産部次長賞
人物部門 「今年も豊作」
撮影地:出雲市大社町
中島 恒夫
水土里ネット島根専務理事賞
人物部門 「たいくつ」
撮影地:仁多郡奥出雲町
福田 秀夫

入選

風景部門 「大寒の群」
撮影地:出雲市(川跡)
三次 巧侑
風景部門 「今日は稲刈り」
撮影地:松江市宍道町伊志見
安田 朝行
風景部門 「白雲とソバの花」
撮影地:鹿足郡吉賀町
入江 孝美
風景部門 「朝」
撮影地:出雲市斐川町
佐藤 正美
人物部門 「収穫」
撮影地:飯石郡飯南町
大友 武
人物部門 「初収穫」
撮影地:雲南市大東町(山王寺棚田)
仙田 寿秀
人物部門 「ママに甘える」
撮影地:雲南市大東町(山王寺棚田)
遠藤 勉
施設部門 「夜明け」
撮影地:雲南市木次町
山本 茂
イベント部門 「虫送り踊り」
撮影地:邑智郡邑南町
平元 一幸
イベント部門 「芋の苗植付け全景」
 撮影地:雲南市大東町(山王寺棚田)
國頭 暉一郎

佳作

風景部門 「落葉」
撮影地:仁多郡奥出雲町
勝部 稔
風景部門 「麦秋」
撮影地:出雲市斐川町
吾郷 昌美
風景部門 「山里の田植え」
撮影地:雲南市大東町(山王寺棚田)
三島 しげみ
風景部門 「乱舞」
 撮影地:出雲市(田儀川)
森山 豊治
人物部門 「あ~、いい風だね」
撮影地:松江市忌部町
熱田 愼次
人物部門 「一息」
 撮影地:出雲市斐川町神庭
坂本 新次
人物部門 「ひまわり家族」
 撮影地:出雲市斐川町
黒川 政治
施設部門 「たわむれ」
撮影地:安来市
赤坂 俊一
イベント部門 「捕虫網」
撮影地:松江市西忌部町
柳浦 博
イベント部門 「ハス祭り」
撮影地:出雲市斐川町(荒神谷)
新田 康彦

山陰フジカラー賞

風景部門 「桃源の里」
撮影地:邑智郡邑南町上口羽川角
三上 茂

特別賞(農地保全管理)

人物部門 「ひと休み」
 撮影地:松江市八雲町
石倉 貞昭

応募状況

応募作品総数

655点
風景部門 289点
人物部門 182点
施設部門 59点
イベント部門 125点
応募者数 198人(内県外者37人)

総評

最近のカメラは、日進月歩で技術が進化し、軽便化されたうえに値段の方も安価となり、写真をする人達が使い易い商品が市場に出ています。
また、従来ですとカメラ店に出向かないとカメラは購入できませんでしたが、現在は、家電業界での販売が多くなりました。しかも最近のカメラは、デジタルですからフィルムは不要なうえ殆んど自動化されていますので、簡単に写真が撮れる時代になってきました。
このような中で行われた第16回しまねの農村景観フォトコンテストは、多種にわたる作品が応募されていました。一般にも見られないネイチャーフォトもあり幅の広い写真が撮られていました。島根県土の約七割は山や農村といわれていますが、自然界に作品化できる題材が豊富にあるという事を今回の審査会で改めて心強く感じました。
農村行事となっているイベントも、島根県は中国地方でも一番多くあるといわれる位で、特に農村の稲刈りの頃と田植の頃は、大なり小なり余り人に知られていない祭りが多くありますので、もっと多く応募されてもよいと思いましたが、これが全体の15%でした。
やはり一番多いのは風景部門で、44%でした。一般に撮影しやすい対象ですから当然と思います。人物部門は全体の28%でした。
審査中に気づいたことですが、部門の選択で風景部門か人物部門かどちらに応募したらよいか迷われた方も若干あるようでした。写真界のセオリーとして画面の半分以上に人物が写っていれば、周囲に風景的なものがあっても人物部門で応募されたらよいと思います。勿論これは、応募される皆さんの選択ですが、せっかく人物のよい作品が風景部門に出品されていますと入賞の機会を逃す場合があります。
又、施設部門は、農村を歩いて見るといろいろな所で目につきますが、これの応募が少ないのが不思議です。
いずれにしても本県の農山村には、多くの被写体がありますので、生活する人々の姿とこれらを題材に影像化して応募して欲しいと思います。
最近は、山景や農村を専門的にして撮影しているアマチュアカメラマンが増えています。これは変わり行く農山村の情景を記録的にもテーマとして撮っている人が増えたためではないでしょうか。
農村の四季には、人々の心を癒してくれる不思議な情景や風景が多くあるからでしょうか。楽しさと美しさを求める人達が多くなってきています。

(写真家/川本 貢功)
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