第18回しまねの農村景観フォトコンテストは、過去最高の応募者数、応募点数となりました。
今回審査員全員が感じたことですが、農村景観には多くの物語があるということを改めて知らされました。
全体的に言えることは、山あり谷あり川ありの風景がプリント技術の向上により色彩表現が豊かになったことです。特に中間色の発色が良くなり雰囲気づくりの表現が良い素晴らしい作品も多く見られました。
最近のデジタルカメラは、その全てが全自動化されていますし、スマートフォンまでにもカメラが内蔵されており、綺麗な写真が撮れます。現在日本は、一億総カメラマン時代といわれるように村や街で見かける旅行客のほとんどが精密描写の出来るカメラを持っておりますし、シャッターを押すだけで良い情景が撮れます。 ただし、これらは軽量化されていますので、カメラブレに注意することが大切です。
全国的にも最近のコンテストには多くの農村風景が見られ、特に古い民家や周囲の田、畑などが被写体となっています。これらを描写した作品も多く見られるようになりました。
島根県は日本一東西に長い県ですし、郷愁を誘う風景が多くあり、皆さんの目が向けられています。多くの民家や神社、仏閣などでの季節的なイベント等も開催されており、農村の良い被写体となっています。特に田植えの頃、収穫の頃にはお祭りが多くあります。いずれも豊作を願ったり、感謝したりのお祭りですが、以前のような賑やかさはないけれど、そこに生活する人達の嬉しそうな笑顔の表情が忘れられなかったりします。このような時にもシャッターチャンスが多くあり、祭りに参加の皆さんに話しかけての撮影も良いと思います。
今回特に目立ったものは「カメラブレ」の作品です。折角良い被写体を写しながら残念に思いました。これは出来れば三脚を使用してください。
応募に関しましては、かねてから申し上げていますが、部門の選択についてです。応募者の皆さんが選別して応募されるわけですが、作品に人物が写っており、当然人物部門と思われるのに風景部門や他部門で応募される方がおられます。画面の中に半分以上の割合で人物が写っていれば人物部門、半分以下であれば風景部門やイベント部門あるいは施設部門と考えて頂いて応募してください。
審査においては応募者が選択した部門を尊重していますので、他部門に変更して審査することはありません。
最近は県外からも多くの熱心なカメラマンの人達が撮影に来県するようになりました。新しい視覚や目線での作品が見られるようになったことも新鮮でした。
写真は農村風景が原点と言われていますから...。
(写真家/川本 貢功)