第12回(平成20年度)
最優秀賞
人物部門「朝の間引き」
撮影地:伯太町
柳浦 博
柳浦 博
画面上にこれだけ季節感が感じられるのは、望遠レンズの効果とチューリップの花が色彩効果を高めているからです。
中心に位置する人物像の表現描写も素晴らしいと思います。
手を後ろに廻して中腰の姿で、間引かれたチューリップが後手にしっかりと握られており、下のほうを向いており悲しそうな印象を与えます。
また、大地のチューリップは逆に空に向かって咲き誇るように連立して見事に開花しています。
何れにしてもアンダー気味の露出と人間と花に対する愛情のようなものを感じる作品で多くのことを想像させてくれる作品ですし、 感動的な瞬間の描写がよく審査員全員で最優秀賞に選出された作品です。おめでとうございました。
中心に位置する人物像の表現描写も素晴らしいと思います。
手を後ろに廻して中腰の姿で、間引かれたチューリップが後手にしっかりと握られており、下のほうを向いており悲しそうな印象を与えます。
また、大地のチューリップは逆に空に向かって咲き誇るように連立して見事に開花しています。
何れにしてもアンダー気味の露出と人間と花に対する愛情のようなものを感じる作品で多くのことを想像させてくれる作品ですし、 感動的な瞬間の描写がよく審査員全員で最優秀賞に選出された作品です。おめでとうございました。
部門賞
風景部門
人物部門
施設部門
イベント部門
イベント部門「田植囃子」
撮影地:邑南町矢上
撮影地:邑南町矢上
小林 茂雄
このような農村で行われる祭りの歴史は古く、豊作を祈りながら田植えをするわけですが、かつては山村を中心にして県下のどこでも見られる風景であったようです。
この作品は矢上地区が30周年になるのを記念して約10年ぶりに開催されたもので、その歴史は130年以上もあるものですが、男の踊り手と早乙女の情景描写がよいと思いました。
手に持っているバチがリズミカルで動感を出しておりシャッターチャンスのよい作品となりました。
かつては田楽として伝承された田植え舞いですが、いつまでも残って欲しい祭りです。
今でも囃子や笛・太鼓の音が聞こえてくるような印象深い作品であり全体に曇天気味の暗い感じがよかったと思います。
審査委員特別賞
入選
佳作
応募状況
応募作品総数 600点 |
風景部門 | 250点 |
人物部門 | 167点 | |
施設部門 | 63点 | |
イベント部門 | 120点 | |
応募者数 | 182人(内県外者30人) |
総評
第12回「しまねの農村景観フォトコンテスト」は過去最高の600点の応募がありました。
風景、人物、施設、イベントとそれぞれの部門に感動的な作品が多く見られました。
農山村には多くの自然があり、また、多くの祭りがあります。そこで働く人々の情景や表情の描写など、どの部門を見ても作品のレベルアップが見られました。
かつて多くの先輩から写真は「光と影の交錯」であり「明暗のハーモニー」であるといわれたものです。このような情景こそ山村や農村に多く見られるものと思います。多くの人々の心を癒してくれる風景は基本的に空と緑だともいわれ、これらも農山村に多く点在し、この自然を大切にして映像化することが作品の質を高めるもので、よい作品づくりの原点と言われるものです。
最近の進歩するカメラ器材は、写真芸術の大衆化を目的にしたデジタルカメラが多く見られ、また、活用されるようになりましたから、これからは更に写真表現の手段として銀塩写真とデジタル写真が競合して多くのカメラマンが誕生することと思います。このことが写真人口の増加となり応募者が増えた原因だと思います。
今回の応募作品のどれを見ても構成美と色彩美の表現が素晴らしい。自分で対象となる被写体が絵になると思えば、種類の如何を問わずに写真化することが大切です。これらは時代考証としても記録的にも貴重なものであり、農村の景観には、それらの素材が多くあるように思いました。
風景、人物、施設、イベントとそれぞれの部門に感動的な作品が多く見られました。
農山村には多くの自然があり、また、多くの祭りがあります。そこで働く人々の情景や表情の描写など、どの部門を見ても作品のレベルアップが見られました。
かつて多くの先輩から写真は「光と影の交錯」であり「明暗のハーモニー」であるといわれたものです。このような情景こそ山村や農村に多く見られるものと思います。多くの人々の心を癒してくれる風景は基本的に空と緑だともいわれ、これらも農山村に多く点在し、この自然を大切にして映像化することが作品の質を高めるもので、よい作品づくりの原点と言われるものです。
最近の進歩するカメラ器材は、写真芸術の大衆化を目的にしたデジタルカメラが多く見られ、また、活用されるようになりましたから、これからは更に写真表現の手段として銀塩写真とデジタル写真が競合して多くのカメラマンが誕生することと思います。このことが写真人口の増加となり応募者が増えた原因だと思います。
今回の応募作品のどれを見ても構成美と色彩美の表現が素晴らしい。自分で対象となる被写体が絵になると思えば、種類の如何を問わずに写真化することが大切です。これらは時代考証としても記録的にも貴重なものであり、農村の景観には、それらの素材が多くあるように思いました。
(写真家/川本 貢功)