第15回(平成23年度)
最優秀賞
部門賞
風景部門
風景部門 「津田かぶ干しから見れる風景」
撮影地:松江市朝酌町
山本 敏彦
山本 敏彦
出雲地方独特の風物詩となっている季節の風景です。
画面の中に多くの景観が写っています。画面の約半分を占める津田かぶは圧感です。中心にかすかに見える人物は、かぶ干しの最中のようで、しかも中心の空間からこの二人の作業風景が見えるところに、この作品の物語があります。遠景には近代的な住宅も多く建ち、手前の野菜畑とともに新鮮な風景を見るようです。
これぞ近代農村風景と言っても過言ではありませんし、画面構成のよい作品となりました。津田カブは、写真表現の上においても色彩が良く、多くの人が題材として作品化していますが、この作品はスケールの大きな映像として捉えられているのが良いと思います。何時でも外出時にはカメラを持参することが大切です。
画面の中に多くの景観が写っています。画面の約半分を占める津田かぶは圧感です。中心にかすかに見える人物は、かぶ干しの最中のようで、しかも中心の空間からこの二人の作業風景が見えるところに、この作品の物語があります。遠景には近代的な住宅も多く建ち、手前の野菜畑とともに新鮮な風景を見るようです。
これぞ近代農村風景と言っても過言ではありませんし、画面構成のよい作品となりました。津田カブは、写真表現の上においても色彩が良く、多くの人が題材として作品化していますが、この作品はスケールの大きな映像として捉えられているのが良いと思います。何時でも外出時にはカメラを持参することが大切です。
人物部門
施設部門
施設部門 「朝の水張田」
撮影地:出雲市島村町
行長 好友
行長 好友
強烈なレッドの色彩が画面全体にあり、インパクトの強い作品となりました。
ビニールハウスの中で農作業する人を、朝日の逆光の中で美しく見せています。これは完全な芸術作品です。多くの写真の中でビニールハウスは、映像効果をあげてくれますが、これは水面の影と完全な二等分描写になっています。この作品は朝日を上手に生かして写真全体を輝かせており、作者の素晴らしい感性と力強いダイナミックな構成が良いと思います。
絵画を見るようで美意識を感じさせてくれる作品です。上下を逆さにしても同様の被写体に見える作品は、殆んどの場合において美しさが勝ちすぎて写真が弱く見えるものですが、この作品は朝日が強烈でありメルヘンの世界を感じます。
ビニールハウスの中で農作業する人を、朝日の逆光の中で美しく見せています。これは完全な芸術作品です。多くの写真の中でビニールハウスは、映像効果をあげてくれますが、これは水面の影と完全な二等分描写になっています。この作品は朝日を上手に生かして写真全体を輝かせており、作者の素晴らしい感性と力強いダイナミックな構成が良いと思います。
絵画を見るようで美意識を感じさせてくれる作品です。上下を逆さにしても同様の被写体に見える作品は、殆んどの場合において美しさが勝ちすぎて写真が弱く見えるものですが、この作品は朝日が強烈でありメルヘンの世界を感じます。
イベント部門
イベント部門 「ボク三代目」
撮影地:飯石郡飯南町頓原
池田 幸枝
池田 幸枝
題名のとおりの作品です。両方の獅子面に物語があります。大きな獅子は、口を開けて舞いの最中でしょうか。それを見ている子供の表情が良いと思います。
少年の身体よりも大きい獅子面が重そうにも見えますし次はどのように踊れば良いのかと見ているでしょうか?鉢巻姿に着ている衣装が可愛くて、これが印象的な画面となっています。
写真は瞬間芸術と言われますが、この写真は、シャッターチャンスを生かして、まさに瞬間の表情を捉えています。三代目としての責任感のようなものまで描写されており、色彩効果の良い作品となりました。
農村には、このような祭りが多くありますが、これだけ表情描写のできる作者は素晴らしいと思います。
少年の身体よりも大きい獅子面が重そうにも見えますし次はどのように踊れば良いのかと見ているでしょうか?鉢巻姿に着ている衣装が可愛くて、これが印象的な画面となっています。
写真は瞬間芸術と言われますが、この写真は、シャッターチャンスを生かして、まさに瞬間の表情を捉えています。三代目としての責任感のようなものまで描写されており、色彩効果の良い作品となりました。
農村には、このような祭りが多くありますが、これだけ表情描写のできる作者は素晴らしいと思います。
審査委員特別賞
入選
佳作
応募状況
応募作品総数 714点 |
風景部門 | 309点 | |
文章 | 人物部門 | 204点 | |
文章 | 施設部門 | 75点 | |
文章 | イベント部門 | 126点 | |
応募者数 | 226人(内県外者44人) | 文章 |
総評
全国的に言えることですが、以前の募集案内では、デジタル写真も可と言う表現で、デジタル写真は写真界では異色な扱いを受けていました。しかし、今やデジタルカメラは高級機からコンパクトカメラまで日進月歩の発展を遂げ、機能や操作性が大幅に向上し、更にはプリンターの性能も良くなったことと相まって、銀塩写真にも劣らない高度な写真を作ることができるようになりました。
そうしたことが、全国的にも写真愛好家の増加に拍車を掛けています。
今回で第15回を迎えた「しまねの農村景観フォトコンテスト」でも当初は珍しかったデジタル写真が大半を占めるようになり、入賞作品の殆どがデジタルカメラによるものでした。
また、全体の応募数も714点となり過去最多となりましたが、これもデジタルカメラの普及と回数を重ねるごとに農村景観フォトコンテストの趣旨が多くの方々に理解された結果だと思います。
本県には多くの農村景観がありますが、そこで営まれる生活や祭りなど写真作品として数多くの被写体があることを、今回の審査を通じて改めて認識させられました。
写真の原点と言われる風景写真部門については、撮影技術も高度化し色彩効果を有効に利用した作品が多く見られるようになりました。中には、人物部門と混同した風景写真もあり、人物部門に応募された方がよい作品も見受けられました。これは応募者の判断ですが、画面半分以上に人物が写っておれば人物部門で応募された方がよいと思います。
人物部門については、殆どの作品が人物本位になっておりましたが、人の動きや表情描写の良い作品が多く見られるようになりました。
施設部門については、以前にも申し上げましたが、農村には多くの農業用施設があり、ビニールハウス、カントリーエレベーター、農業用水、野生生物や牧畑の牛馬の姿等が被写体としてよい題材となります。
イベント部門については、古代から伝承される神社の祭り等の写真が主となっています。本県には、全国でも一番多く祭りがあると言われており、田植の頃から収穫の頃まで様々なイベントが被写体となります。大きな祭り等はネット上で判りますが、小規模の祭り等については露天商の人達に聞くと詳しく教えてくれますし、小さな祭りでも良い作品が数多く発表されています。
農山村の歴史は古く、八岐大蛇退治の神話時代にも鉄山族や農民族の話しがありますし、雄大なスケールの中で田の神様が活躍しているような夢を画きながら写真を撮られるのも、神々の国島根だから出来ることだと思います。
加えて本年は古事記編纂1300年の記念イベントも盛大に開催されます。この機会に県内外の多くの方が本フォトコンテストに参加されることを期待します。
(写真家/川本 貢功)
そうしたことが、全国的にも写真愛好家の増加に拍車を掛けています。
今回で第15回を迎えた「しまねの農村景観フォトコンテスト」でも当初は珍しかったデジタル写真が大半を占めるようになり、入賞作品の殆どがデジタルカメラによるものでした。
また、全体の応募数も714点となり過去最多となりましたが、これもデジタルカメラの普及と回数を重ねるごとに農村景観フォトコンテストの趣旨が多くの方々に理解された結果だと思います。
本県には多くの農村景観がありますが、そこで営まれる生活や祭りなど写真作品として数多くの被写体があることを、今回の審査を通じて改めて認識させられました。
写真の原点と言われる風景写真部門については、撮影技術も高度化し色彩効果を有効に利用した作品が多く見られるようになりました。中には、人物部門と混同した風景写真もあり、人物部門に応募された方がよい作品も見受けられました。これは応募者の判断ですが、画面半分以上に人物が写っておれば人物部門で応募された方がよいと思います。
人物部門については、殆どの作品が人物本位になっておりましたが、人の動きや表情描写の良い作品が多く見られるようになりました。
施設部門については、以前にも申し上げましたが、農村には多くの農業用施設があり、ビニールハウス、カントリーエレベーター、農業用水、野生生物や牧畑の牛馬の姿等が被写体としてよい題材となります。
イベント部門については、古代から伝承される神社の祭り等の写真が主となっています。本県には、全国でも一番多く祭りがあると言われており、田植の頃から収穫の頃まで様々なイベントが被写体となります。大きな祭り等はネット上で判りますが、小規模の祭り等については露天商の人達に聞くと詳しく教えてくれますし、小さな祭りでも良い作品が数多く発表されています。
農山村の歴史は古く、八岐大蛇退治の神話時代にも鉄山族や農民族の話しがありますし、雄大なスケールの中で田の神様が活躍しているような夢を画きながら写真を撮られるのも、神々の国島根だから出来ることだと思います。
加えて本年は古事記編纂1300年の記念イベントも盛大に開催されます。この機会に県内外の多くの方が本フォトコンテストに参加されることを期待します。
(写真家/川本 貢功)