第17回(平成25年度)
最優秀賞
人物部門 「コミュニケーション」
撮影地:隠岐郡西ノ島町(国賀海岸)
桂川 亮
桂川 亮
隠岐島の牧畑といわれる場所での撮影です。ここには牛、馬が放し飼いにされており四季を通じて多くの観光客を呼び込んでいます。
牛も馬も人に馴れており、大きな牛に呼びかけている女性がユーモアたっぷりに撮られています。「呼べど答えず」といいますか牛との目線が合っていないのがこの作品のよいところですし、大自然の中でもこのような光景が見られることも癒しの写真ですが、画面の左側に小さく馬を入れての撮影が相乗効果を出しています。
農村景観フォトコンテストでは余り見られなかった作品ですが、構成のよさ、環境表現のよさから審査員全員一致で最優秀賞に選ばれた作品です。仕上げ技術もよく、加えて質感の描写が素晴らしいと思います。牛のうしろ姿で表現された発想がよいと思います。
牛も馬も人に馴れており、大きな牛に呼びかけている女性がユーモアたっぷりに撮られています。「呼べど答えず」といいますか牛との目線が合っていないのがこの作品のよいところですし、大自然の中でもこのような光景が見られることも癒しの写真ですが、画面の左側に小さく馬を入れての撮影が相乗効果を出しています。
農村景観フォトコンテストでは余り見られなかった作品ですが、構成のよさ、環境表現のよさから審査員全員一致で最優秀賞に選ばれた作品です。仕上げ技術もよく、加えて質感の描写が素晴らしいと思います。牛のうしろ姿で表現された発想がよいと思います。
部門賞
風景部門
風景部門 「包む」
撮影地:仁多郡奥出雲町
岩本 克幸
岩本 克幸
何か不思議な作品です。緑の田園の中に稲束があって、しかも四角い形をしており、これに被せてあるビニール袋に風が入っていたのでしょうか、風船のようにふくれています。造形感覚のするどい作品です。一種の芸術写真ともいえましょう。
農村の中でもこのような情景が見られることも素晴らしいことです。
農村での撮影は、多くの場所に出かけて行ってよい被写体と出会い、これを自分の感性で撮り、これが第三者に伝わることで、多くの人が感動すればそれは最高です。この作品には正にこの部類に入る作品です。
色彩表現もよい作品となりました。欲をいえばもう少し周囲の環境が入れば力強い作品となり、環境表現写真ともなります。質感の描写のよい作品です。
農村の中でもこのような情景が見られることも素晴らしいことです。
農村での撮影は、多くの場所に出かけて行ってよい被写体と出会い、これを自分の感性で撮り、これが第三者に伝わることで、多くの人が感動すればそれは最高です。この作品には正にこの部類に入る作品です。
色彩表現もよい作品となりました。欲をいえばもう少し周囲の環境が入れば力強い作品となり、環境表現写真ともなります。質感の描写のよい作品です。
人物部門
人物部門 「いたいー」
撮影地:仁多郡奥出雲町下阿井
遠藤 勉
遠藤 勉
美しく刈り取られた田んぼの中でハプニングでしょうか、稲束を抱えて倒れる瞬間を撮っています。動いている稲束と顔の表情がよく撮れています。
この作品の最大の脇役は黒い長グツ(ゴムグツ)と白い手袋です。一瞬の出来事ですが、軍手の指がそれぞれに開いています。出逢いの中でも画面が安定画面となり、見る人にさまざまな事を想像させてくれるよい作品です。写真の世界をよく表現できた作品です。
写真は瞬間芸術ともいわれます。このように詳細に表情描写をしながらも、画面構成もよく黄色く実った稲束の色調と人物が反逆光になったこともこの作品をダイナミックに見せています。
この作品の最大の脇役は黒い長グツ(ゴムグツ)と白い手袋です。一瞬の出来事ですが、軍手の指がそれぞれに開いています。出逢いの中でも画面が安定画面となり、見る人にさまざまな事を想像させてくれるよい作品です。写真の世界をよく表現できた作品です。
写真は瞬間芸術ともいわれます。このように詳細に表情描写をしながらも、画面構成もよく黄色く実った稲束の色調と人物が反逆光になったこともこの作品をダイナミックに見せています。
施設部門
施設部門 「19歳の魚道」
撮影地:出雲市佐田町(伊佐川)
佐倉 光久
佐倉 光久
当時は珍しい螺旋式の魚道で、鮎などが川の下流から上流に泳いで行く施設と聞いたことがあります。
農村景観フォトコンテストでは、珍しい風景です。これが設置されてから19年を経過しており現在も活躍していることは素晴らしいことです。
円形の形と背景のダムとの幾何学的な構成がよく撮れていますし、水の流れも整然と撮れています。この施設が建設されてから19年になるとの事ですが、当初はコンクリートが新しく見えて写真にはならなかったようですが、19年の間に年輪を感じる色彩となり、時代を感じさせるよい色調ともなり、今が被写体としての最高色といえます。
この周囲の環境もよく撮れているよい記録作品ともなりました。
農村景観フォトコンテストでは、珍しい風景です。これが設置されてから19年を経過しており現在も活躍していることは素晴らしいことです。
円形の形と背景のダムとの幾何学的な構成がよく撮れていますし、水の流れも整然と撮れています。この施設が建設されてから19年になるとの事ですが、当初はコンクリートが新しく見えて写真にはならなかったようですが、19年の間に年輪を感じる色彩となり、時代を感じさせるよい色調ともなり、今が被写体としての最高色といえます。
この周囲の環境もよく撮れているよい記録作品ともなりました。
イベント部門
イベント部門 「拘りの架干」
撮影地:出雲市斐川町福富
若槻 愛二郎
若槻 愛二郎
夜の景観としての情景がよく撮れております。
余りにも整然と並べられたアンドンの赤が美しい為に、そこに目線が行くことが多いものですが、この作品は光の配列がよく稲ハデの黄金色との対比がよく出ています。全体的に力強く見せており成功しました。加えて周囲が黒く中心附近に緑色が見られるのがよかったと思います。
このようなイベントは観光資源となり多くの人が撮影にいきます。特に夜の撮影は光の扱いが悪いためかフラットになった作品も他に見られましたが、美しいと感じたものは美しく撮影すればこのような作品になることを教えてくれたような作品で、来年もあるなら写欲を湧きたてる題材ともいえるでしょう。
余りにも整然と並べられたアンドンの赤が美しい為に、そこに目線が行くことが多いものですが、この作品は光の配列がよく稲ハデの黄金色との対比がよく出ています。全体的に力強く見せており成功しました。加えて周囲が黒く中心附近に緑色が見られるのがよかったと思います。
このようなイベントは観光資源となり多くの人が撮影にいきます。特に夜の撮影は光の扱いが悪いためかフラットになった作品も他に見られましたが、美しいと感じたものは美しく撮影すればこのような作品になることを教えてくれたような作品で、来年もあるなら写欲を湧きたてる題材ともいえるでしょう。
審査委員特別賞
入選
佳作
応募状況
応募作品総数 648点 |
風景部門 | 272点 | |
文章 | 人物部門 | 174点 | |
文章 | 施設部門 | 61点 | |
文章 | イベント部門 | 141点 | |
応募者数 | 211人(内県外者26人) | 文章 |
総評
第17回目のしまねの農村景観フォトコンテストとなり、全体的に作品内容と色彩表現がレベルアップしました。
受賞された以外の作品にも苦労をされて写された作品、働く人達の喜び、農村でのイベントなど素晴らしい作品が多く見られました。
これらを見ましても農村の風景が島根県の観光資源にもなっており、多くの人達が収穫の喜びや祭りごとを、レンズを通して見ておられる姿が目に浮かびます。
他の多くのコンテストでも、最近は特に農村風景を撮られた作品が多く見られるようになりました。そこで働く人達の姿が家族であったり、弁当持参で田園の中で食事などをする人々など、農村の原風景を見るような作品が多く見られました。これらの作品は無限で楽しい作品となります。
最近のデジタルカメラは、写り過ぎと言われる程によく写ります。どんな条件でも光さえあればカメラが写してくれます。露出等の心配はなくなりましたが、撮影前に被写体をみつめて必要なら三脚を立てて慎重にシャッターを押すと、もう少しハイレベルな作品になると思える写真も目につきました。
応募された作品を一点ずつ見ていますと、島根県の農山村にはこれだけ多くの被写体があるのかと改めて驚きました。写真は、今あるものを撮ることによって、時代考証であり、又、記録として歴史に残るものです。最近の進化した写真プリントは、従来と違って退色も少なくなり原色を残してくれます。
又、応募される方々の部門別の選択について一言申し上げます。作品に人物が入っており、当然に人物部門であると思われるのに風景部門やイベント部門に出品されていますが、画面の約半分以上に人物が写っていれば人物部門に応募された方がよいと思います。そうすれば上位に推挙されたのにと思われる作品も目につきました。
第1回展の頃から見ますと随分と部門別の応募分類が良くなってきていますが、作品は作者の選択された応募部門で審査されますので出品前に一考することです。
今回の応募総数は648点、応募者は211人(内県外26人)であり、県内のコンテストでは最高に多い出品点数となりましたことを申し添えます。
(写真家/川本 貢功)
これらを見ましても農村の風景が島根県の観光資源にもなっており、多くの人達が収穫の喜びや祭りごとを、レンズを通して見ておられる姿が目に浮かびます。
他の多くのコンテストでも、最近は特に農村風景を撮られた作品が多く見られるようになりました。そこで働く人達の姿が家族であったり、弁当持参で田園の中で食事などをする人々など、農村の原風景を見るような作品が多く見られました。これらの作品は無限で楽しい作品となります。
最近のデジタルカメラは、写り過ぎと言われる程によく写ります。どんな条件でも光さえあればカメラが写してくれます。露出等の心配はなくなりましたが、撮影前に被写体をみつめて必要なら三脚を立てて慎重にシャッターを押すと、もう少しハイレベルな作品になると思える写真も目につきました。
応募された作品を一点ずつ見ていますと、島根県の農山村にはこれだけ多くの被写体があるのかと改めて驚きました。写真は、今あるものを撮ることによって、時代考証であり、又、記録として歴史に残るものです。最近の進化した写真プリントは、従来と違って退色も少なくなり原色を残してくれます。
又、応募される方々の部門別の選択について一言申し上げます。作品に人物が入っており、当然に人物部門であると思われるのに風景部門やイベント部門に出品されていますが、画面の約半分以上に人物が写っていれば人物部門に応募された方がよいと思います。そうすれば上位に推挙されたのにと思われる作品も目につきました。
第1回展の頃から見ますと随分と部門別の応募分類が良くなってきていますが、作品は作者の選択された応募部門で審査されますので出品前に一考することです。
今回の応募総数は648点、応募者は211人(内県外26人)であり、県内のコンテストでは最高に多い出品点数となりましたことを申し添えます。
(写真家/川本 貢功)